ゴミのような人々

■ホームレスの中で「小銭や食べ物をねだっている人」というのは、まだマシ……というか、まだいいのです。目先を生き抜く希望も欲望もあるということだから。何もおねだりをしていないホームレスの人というのが、私が見ていていちばん言葉を失ってしまう人たちです。溶けかけたアイスクリームケーキみたいな状態になって、ビルの間に挟まっていたりします。

■活動的で、他人の家の庭にうんこをしていくようなホームレスはまだ元気があってよろしい。半分死にそうになっている人を見ていると、本当にもうどうしていいのかわかりません。

■この街の南側というか西側は、ほんの少しの雨で雨水があふれる状態のスラム街的工業地域です。北の丘の上には、お城のような豪邸が林立しています。美少女ゲームなら最後に炎上しそうなお城です。富豪たちがシャンペンを飲んでいる反対側では、まさに「ゴミのような人々が死んでいく」。銀河鉄道999も真っ青の恐ろしいほどの貧富の差です。

■その貧富の差の真ん中にはさまっているはずの中間層が、ここにいられなくなってきています。平均住宅価格が1ミリオン(1億円)を超えました。ほんの数年前(10年以内の話です)に中間層が住んでいた地域の家賃(ファミリータイプ)が3000ドルを超えています。学生向けのワンルームが1000ドル。お金のない学生は、これをシェアして住んでいます。

■ちなみに、ベイエリアの不動産を「爆買い」して価格を上げているのは中国人だと言われています。10年前、公共交通機関で流れる複数言語のアナウンスは広東語とスペイン語でした。今は北京語が聞こえてきます。