「ナントカ手帳」について思うこと

「育休3年」「女性手帳」がバリ女に総スカンのなぜ

政府の子育て支援策に学ぶ“男女間の非対称性”の罠

http://diamond.jp/articles/-/35761


↑「育児も子作りも、女だけでやるわけじゃない。女性手帳だけじゃなくて、男性手帳も」という主張です。

似たような主張をされている方が他にもいますが、私は違う考えです。

女性手帳」に賛成するわけでもありません。


子作りには「単性生殖」ができない以上、男性が必要です。でも、育てるのは別に女だけでもいいのです。

百歩譲って「男性に育児協力してもらう」とします。その場合でも「法的に結婚」している必要はないです。


法的な結婚が持つ意味は、一つです。即ち「男性が持っている財産を、子どもにどう相続させるか」というその一点のみです。だから「認知」とか「非嫡出」とかいう概念が出てきます。


いまや「イクメン」が大流行です。親になった男性で育児に積極的に参加する人が、ずいぶん増えてきました。

この現象を、私は次のように見ています。


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男性が「育児」をするようになりました。それも「単にお金を出す」というだけの育児ではなく、おむつを替えたり、哺乳瓶で乳をあげたり、子どもと長時間遊んだり(父親本人が遊びたいときだけでなく、という意味)、食事を作ったり、お風呂に入れたり……という「手間をかける」という意味での、育児参加です。

これには、二つの理由があります。

一つは、妻が外で稼ぐほうが、たくさん稼げる、という「経済的な理由」。

もう一つは、「父」というアイデンティティが、男性にとって「社会的に自分が認められる」という意味でより重要になってきている、という理由です。


二つ目について、もう少し説明したいと思います。

イクメンの男性には、次のような特徴があります。比較的若い。そして「権力や財力に溢れていない」という特徴です。


権力や財力に満ち満ちた男性の中にも、家庭を大切にする人はたくさんいます。夜遅く帰宅して、愛するわが子の寝顔にキスはするかもしれません。

彼らはお金はたっぷり出しますが、決してわが子のおむつを替えません。シモの世話はしません。疲れ果てて自身のイライラの限界にくるまで、アンパンマンごっこやお馬さんごっこはしません。

財力や権力を十分に持つ男性にとって「家族」というのは「アクセサリ」です。こういう「強い男性」は、財力や権力によって、社会から既に十分に認められています。家庭が破綻したとしてもすぐに新しい家庭を築くことができます。家族は「二の次」であり「代替可能」なものです。強い男性にとって、家族は金で買えるものです

どうでもいいですが、ホリエモン氏にはお子さんがいますね。

ロナルド・レーガンが、別れた元妻との間の自分の子に再会したとき、自分の子がわからなかったというのは有名な話です。


他方、若い男性や「社会的に十分認められる」ほどの財力も権力も持たない男性にとって「今のこの家族」は一回こっきり、代替不可能なものです。「子ども」とは即ち「家族」へ自分を強力に結びつける重要な紐帯です。そして「家族」こそが、彼らが社会と結びつき「社会の成員」として認められるための、媒介になっているのです。

「オレには他には何もないけど、家族がある」「この子がいる」とは、「課長ならぬ、一家の家長」というわけですね(このギャグは、昔はギャグでしたが今はマジになりました)。だから「家族は金で買えない」と言うのです。

ちなみに、こういう男性にとって「財産相続」の類の話は、あまり関係ありません。ですから、別に法的に結婚している必要はないのです。


イクメン」系の男性と子育てするのは、悪くはありません。ですが、現実問題として以下を指摘しておきましょう。


ひとつ。「イクメン男子、金と力はなかりけり」。金と力がある男はイクメンになる必要がありません。従って、経済的には非常に厳しいです。なんだかんだいって日本は男性社会です。女性が「一家を背負う」ぐらいの気概で稼ごうとしないと、家計が成り立たないことも。

ふたつ。育児への「口出し」がハンパじゃないです。お姑さんがホトケに見えるぐらい、口を出してきます。衝突必至。特に、妻と夫の成育歴や生育家庭、生育環境が違っている場合には、相当のバトルを覚悟したほうがいいでしょう。


と言う具合に見ていくと、いっそのこと「女だけで子育てしたほうが、よくね?」と思えてきます。ええ、絶対そう思えてきます。

種付けだけしてもらって、子育ては母(と母の親族)だけでやったほうが、平和で楽チンなんです。


ということで、本気で少子化対策をしたいのならば、「ナントカ手帳」とかいうおポンチな代物に税金をかけるぐらいなら、さっさと「未婚で子どもを産み育てる」「女だけで楽しく子育てできる」(未婚・離婚含め)という社会にしたほうが、早いと私は思うんですけどね。